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おとり物件とは、一般的に顧客を釣るために用意されている「宣伝用の物件」であり、好条件が設定されているおとり物件の中には、実際には物件そのものが存在していないケースも少なくありません。
おとり物件を使って物件広告や顧客勧誘などを行うことは宅地建物取引業法にも違反する不法行為であり、発覚すれば宅建業者の資格取消処分になることもある重大な犯罪です。しかし残念ながら、悪質な不動産業者などの中には少しでも優良物件を用意しているというアピールに売却済み物件をそのまま広告掲載したり、消費者を焦らせて目当ての物件を売りつけるために空想上の物件をおとり物件として提示したりという詐欺的手法をとる業者も存在します。
おとり物件はどれだけ好条件に見えても購入できない物件である上、そもそもおとり物件を利用するような業者は信用に値しないため、住宅購入を検討する際には冷静におとり物件を見分けることが必要です。
おとり物件は賃貸物件の案内件数を水増しするために利用されるだけでなく、上述したように建売住宅や分譲マンションなど販売物件の広告宣伝においても詐欺的手法として利用されることがあります。
ただし、一方で実質的におとり物件の状態になっているものの、不動産業者が故意におとり物件を用意しているのでなく、単純に売却済み物件を誤って広告に掲載していたり、広告を差し替えるタイミングによって売却済み物件が未契約状態で掲載されたままになっていたりというケースもあります。
とはいえ、管理能力不足でも故意に関係なく、該当物件を購入できない点には変わりないため、やはり注意しなければなりません。
不動産業者にとっておとり物件を利用する最大の目的は、とにかく顧客や見込み客からの問い合わせ件数を増やして、交渉に持ち込む機会を増やすことです。
おとり物件は基本的に好条件が案内されており、住宅購入の希望者にとって魅力的な物件であることが大半です。そのため、おとり物件に釣られてしまうと、他にも同様に魅力的な物件を扱っているかも知れないという無自覚な期待を抱いてしまう恐れがあります。
また、おとり物件が成約済みとして案内されると、他の物件も早く決めなければいけないと焦り、冷静な判断ができないこともあるでしょう。
おとり物件に引っかかってしまうと冷静な比較検討が難しくなり、本来であれば望まない物件を購入してしまう恐れが大きくなるため、どれほど巧みな交渉術で迫られても即断せず、落ち着いて物件情報を確認することが不可欠です。
大前提として、目当ての物件については複数の業者に問い合わせて確認することが重要です。例えばAという不動産業者の広告で好条件になっている物件でも、別のB社に問い合わせると「成約済み」であったりそもそも情報を確認できなかったりするといったケースが考えられます。
もちろん、物件の取り扱い状況や情報収集のタイミングによっては、偶然のタイムラグによって複数の業者で異なる回答を得られる場合もありますが、ある程度の時間を置いても同様の対応が続く場合、それはおとり物件である可能性が高まります。
賃貸住宅でも建売住宅や分譲マンションでも同様に、すでに完成・存在している物件であれば、必ず契約前に内見を申し込むようにしてください。そして実際に約束した日に内見を行えるか否かは重要なチェックポイントです。
例えば内見当日に「たまたま昨日に他の人が契約して物件案内ができなくなった」などの理由で突然に物件案内を断られるような場合、おとり物件が強く疑われるでしょう。
ただし実際にそのようなケースもゼロでないため、リスク回避としては土日に内見や契約が多いことを考慮して、自身は土日や週明けに内見予約をするのでなく、急な契約の可能性の低い平日に予約するといったこともポイントです。
建売住宅や分譲マンションの場合、施工中の未完成物件が販売されることもあります。しかし、着工しているのに詳細資料を求めても未完成物件に関する情報をきちんと公開してもらえなかったり、資料が未完成ですと言い訳されたりする場合、それは架空物件や成約済み物件である可能性が高くなります。
物件の住所を実際に訪れてみると、すでに他の家が建っていたり、施工予定の土地が駐車場として利用されていたりすることもあるでしょう。
このような場合、そもそも着工予定や販売計画に関しての説明そのものが虚偽である可能性が考えられます。
また物件の住所を現地訪問する余裕がなくとも、例えばGoogleマップなどを使って航空地図や写真地図をネットで確認するといったことは大切です。ただしその場合は情報の更新日にも合わせて意識を配りましょう。
複数の業者に対象物件について問い合わせた際、特定の1社だけ極端に好条件を提示しているような場合、その業者は情報提供の信頼度が低い恐れがあります。
もちろん、オーナーとの独占契約などによって独自ルートで好条件を獲得している可能性もゼロでありませんが、基本的に特定業者のみを優遇するメリットはあまりないため、仮に問い合わせをする際にもリスクに備えて冷静かつ慎重に話を聞く意識が不可欠です。
その他にも、担当者が契約を急かしてきたり、こちらが希望している物件以外の情報を強く勧めてきたりと何かしら違和感や不信感を抱いた場合、おとり物件の有無に関係なくその業者は避けることが無難です。